※閲覧注意 残虐・グロシーンがある映画ですので、苦手な方はご注意 目次 1 グリーン・インフェルノのキャストと評価2 グリーン・インフェルノのあらすじ3 グリーン・インフェルノのネタバレレビュー3.1 極めてまじめな作品が逆に怖い3. 映画「インフェルノ」を視聴したのであらすじと感想についてまとめました。人類の人口が増え続けることは悪なのか?命をかけてでもやるべき使命なのか? 映画のネタバレあらすじを結末まで解説映画「インフェルノ」のあらすじと結末をネタバレ解説。動画やキャスト紹介、レビューや感想も掲載。ストーリーのラストまで簡単解説します。 ここからは映画「インフェルノ」のネタバレを含んでいます。あらすじの結末まで解説していますのでご注意ください。目次ダン・ブラウン原作で、1「ある男が逃げていました。時折、その男が演説している光景がインサートされます。「スイッチがある。押すと人類の半分が死ぬが、押さないと……人類は100年で滅ぶ。全てはお前次第だ」バディア・フィオレンティーナ教会の尖塔の頂上まで追い詰められた男は、3人の追手のリーダー格である黒人男性の要求に従うふりをして、背中から落下するのでした。当然、即死です。一方、今作の主人公、ロバート・ラングドン教授は、生死の境をさまよい、ICU(集中治療室)で意識を取り戻します。「ここはどこだ?」女医が答えます。「フィレンツェ病院のICUよ」ラングドン「フィレンツェ? 何で私は、そんなとこにいるんだ?」 女医「記憶が混乱しているのね。どこまで覚えてる。あなたの名前は?」ラングドン「私は、ロバート・ラングドン。今日の日付は6月14日で。金曜日。ボストン大学にいたはず。」女医「違うわ。今日は6月16日で月曜日よ。これ、何本?」 女医はポケットライトで、ラングドンの瞳孔を確認するために光を照らして、指を見せます。ラングドン「5本。その光をやめてくれ。後、部屋の電気を消してくれ」女医「大量に血を失ったせいで、眩しいだけよ。」 そう言って、再び電気をつけます。ラングドンは再び、眩しさで苦しみます。そこに、インターホーンで連絡が入ります。「シエナ先生、警察が患者の面会を求めています。」 女医「分かったわ。ラングドン先生。警察が聞きたいのは、あなたが銃で撃たれたからよ。幸い、こめかみの上の部分をかすっただけで済んだけど、その衝撃波であなたは倒れたの。」裂傷している左のこめかみ部分は、偶然にも前作「天使と悪魔」でも怪我していた部分でした。外に出るとタクシーが止まっています。「トラブルは困るよ」という運転手の苦情を無視して、乗り込みます。実はラングドン、目覚めてからずっと時折、フラッシュバックしていました。それは、すれ違う町の人の顔が崩れていたり、首が180度ねじれた人、燃えている人など、まるで地獄にいるような光景が見えるのです。その中で黒いショールをまとった女性が歩いていくのが見えます。彼女がある建物の扉の前で立つと、得体のしれない物が町に解き放たれるのです。タクシーの中で、呟きます。「”チェカ・トーヴァ”って何だ?」タクシーに運ばれた場所は、女医のアパートでした。「警察に連絡しましょう」ラングドン「警察はダメだ。さっきの警官のように襲われる可能性がある。アメリカ大使館にしよう。いや、その前に現状を確認したい。私の荷物は?」女医「そこにもってきたわ。その前に着替えない? 以前住んでいた同居人の服があるの」ラングドン「済まない。それじゃ、朝起きた時に飲む茶色いヤツをいれてくれ」 女医「紅茶? コーヒー?」 ラングドン「コーヒーだ」女医がコーヒーを入れている間に、ラングドンは言われるままに着替えることにします。ラングドン自身は気づかず、観客にしか見えませんが、背中がただれてるように見えます。マッキントッシュがあったので、シエナが戻ってこない間に、勝手に自身のメールを見ることにします。そこには、イニャツィオ・ブゾーニという知らない男からのメールが受信されていて、「天国の25を探せ」と書かれていました。ラングドン「なあ、私は時計をしてなかったか?」女医「いいえ、してなかったわ。コーヒー入ったわよ。で、考えたんだけど、やはり通報した方がよくない?」ラングドン「通報はまだ駄目だ。えーと、君の名前は何だっけ? 確かシエナ先生と呼ばれていたな。」女医「シエナ・ブルックスよ。ちなみに9歳の時に、あなたの宗教象徴学の授業を受けたことあるわ。ロストシンボル(失われた紋章)以外は面白かった。」 ラングドン「そうかい。それはどうも。で、私の荷物はこれか。何だ、これは?」コートの中に銀色の懐中電灯くらいの大きさのチタン製の筒がありました。シエナ「それは、バイオチューブね。」バイオハザード(感染性廃棄物)のマークが書かれています。シエナ「それは、持ち主以外、反応しない指紋認証でしか開かない。やっぱり、通報しましょう。」 ラングドン「これが細菌の可能性はあるか?」 シエナ「だったら、今頃、2人とも感染してるわね」ラングドンは指紋認証を試します。「開いたぞ。何だ、これは象牙?」 シエナ「いいえ、人骨ね」シエナは気持ち悪いことを平気で言います。医師だからでしょうか? ラングドンは書かれた印章を調べます。「これは黒死病(ペスト)だな。悪魔が人々を苦しめている。」何か音がします。もっと振ると、映像が出ました。ファラデー・ポインターという中に仕込まれた小さな発電機が作動すると映る超小型のプロジェクターだったのです。映像を見たシエナは言います。「ボッティチェリね。」 ラングドン「そうだ。彼が書いた”地獄の見取り図”だ」ワイングラスのような構造で、段階別に塗り分けられ、そこには地獄で刑罰を受けている人々が書かれています。 第1の堀:女の取り持ちをする者、女たらし(鬼demonsに鞭打たれる)夢の中で、首が180度ねじれていた人達は第4層の魔法使いだったのです。しかし、投射された絵では逆さまにされている罪人は10番目にあります。本来は3番目の聖職売買者です。そして文字を見つけます。シエナも見つけます。「ここにもあるわ。ここにも、ここにも」 全部で10文字 CATROVACERです。さらに絵の下部には「真実は死者の目を通してのみ見える」とも書かれていました。シエナ「通報しましょう。」ラングドン「ああ、但し、アメリカン大使館にだ。」早速、大使館に連絡します。ところがシエナは警戒して、窓から見えるホテルの住所を言うようにラングドンに支持します。「ラ・フィオレンティーナ39号室だ」電話の相手は「すぐ行きます」といって、電話を切りました。しばらくするとバイクがやってきました。脱いだヘルメットから現れた顔は、病院で発砲してきた、あの婦人警官です。「これで大使館も安全じゃなくなったな」 2人は、ホテルの前を通り過ぎます。大使館からやってきた刑事たちは世界保健機関(WHO)から派遣されてきたようです。その中には、冒頭で、尖塔から飛び降り自殺をしていた黒人刑事もWHOパリ支局のン・ジャールもいました。彼らも2チームの別働隊がいて、1人は、決して若くない年老いた女性が率いていました。彼女の名前はWHO本部のエリザベス・シンスキー、彼女は何故か苛立ち焦っているようでした。それをよそ目に、恐らく、シエナの所有する自動車に乗り込み、路上駐車の料金をカードで払い、その場を脱出しました。ラングドンは、紙にメモしたアナグラム(文字の並び替え)をしています。シエナは運転しながら、呟きます。「イタリア語でチェルカ・トローヴァ(CERCA TROVA)よ。私、こーゆー(アナグラム)の得意なの。」英語に直すと「Seek and find(探し求めよ)」という意味になります。それを聞いたラングドンは、「「ヴェッキオ宮殿」だ。あそこには「チェルカ・トローヴァ」と書かれた「マルチャーノの戦い」の絵がある。」シエナ「漸く、本調子に戻ったようね。」 そして、言われるままに車を走らせるのでした。2人が車に乗り込む様子をホテルから出てきた婦人警官ヴァエンサが見ていました。彼女もバイクで追撃を始めます。WHOもバカではありません。彼らはラングドンがメールを受信していた住所がシエナのアパートであったことを突き留めます。勿論、アパートに入ってももぬけの殻です。しかし、シエナの車が移動しているのに気付き、GPSで追跡を開始するのです。一方、イタリアの沖合に停泊する巨大船の中で、民間警備会社「危険総括大機構」が活動していました。そこからアボガストはヴァエンサが、ラングドン教授を拉致しこねたことを知り、シムズ大総監の部屋に入って行き、指示を仰ぎます。彼は、数多くのの案件を抱え、幾つものモニターを見ながら報告を聞きます。そして、最重要案件であるラングドンの件を最優先するために、拉致を諦め、殺人許可を出しました。そして、ヴァエンサに与えられたのは1時間です。シムズは、依頼人であるゾブリストとの約束を破って、彼のメッセージ動画を見ることにします。部下のアボガストが「それは、依頼人との約束を破ることです。わが社の信用にかかわります」と言って止めますが、シムズ「彼は3日前に死んだ。そして全世界への配信の約束の時間まで、1日になった。万が一のことがあっては、わが社自体がなくなる」そう言って、ビデオメッセージを見始めます。画面に映ったのは、尖塔から飛び降りた男でした。ゾブリストが語る内容は、「人類が、10億人の人口になるのに1万年かかったが、20億人になるのは100年、そして30億人になったのは、それから50年で、40億人になった。そして、それから現在まで、わずか36年で70億人になった。後100年経てば、地球人口は、150億人になるだろう。地球は飽和する、そうなる前に今日(つまり明日)、全世界にウイルスを撒く」という、恐ろしいバイオテロの予告でした。(小説では、既に撒いた後でした。)これは決して誇張ではなく、紀元前8000年ごろ500万人だった地球の人口は、1804年に10億人になり、1927年に20億人、1959年に30億人、1974年に40億人、そして2011年に70億人になっているのです。シムズは改めて、婦人警官に化けた暗殺者ヴァエンサに「見つけ次第、ラングドンを殺害するように」と連絡するのです。その頃、ラングドンとシエナは、ヴェッキオ宮殿を目指していました。しかし、警察が検問しているのに気付いたので、車を捨てて、ボーボリ庭園を横切って、生け垣を潜り抜けて、ヴェッキオ宮殿へ急ぎます。ところが警察はドローンを飛ばしていました。だから2人の姿を見つけますが、また見失います。それは、宗教象徴学のラングドンの知識のせいでした。現在は使われてない、ヴァザーリゲートから、遂に宮殿へ侵入するのです。でも、ラングドンがいることを知っているブジャールは、現在使われてないゲートを警察から聞きだし、さらに追跡は続きます。しかし、WHO本部のエリザベス・シンスキーも追いつき、互いの不手際を罵り合いながら、互いの持つ情報を交換するのでした。ここで、ブジャールがおかしなことを言います。「エリザベスさん、あなたも大事なラングドン教授を危険に会わせたくないでしょう?」ヴァザーリゲートから、橋の上のヴァザーリ回廊を抜け、ヴェッキオ宮殿の五百人広間へと到達して、「マルチャーノの戦い」に描かれた緑の旗の中に「CERCA TROVA(チェルカ・トローヴァ)」という文字を2人は確認します。でも次に何をすればいいかと思案していたところ、宮殿職員のマルタ・アルヴァレスがラングドンに近づいてきました。しかし、ラングドンはマルタの顔が思い出せません。つまり、記憶をなくした土曜から月曜にかけての間に会った人物と思われます。マルタは「昨日一緒だったイニャツィオと一緒じゃないの?」と続けます。イニャツィオ・ブゾーニなら、メールの主です。記憶がないラングドンは、「彼は今日これない。それで昨日と同じものを見に来た」、とごまかして、案内されます。階段を登って、案内されたのは、ダンテのデスマスクが展示された部屋でした。しかし、ありませんでした。マルタは急いで警備部を呼び、監視カメラの映像を巻き戻し始めました。でも、それはラングドンに不利な物でした。イニャツイオとラングドンが立ち入り禁止の展示場所に入り、デスマスクを取り出したのです。そして、ラングドンからイニャツィオにデスマスクを手渡していました。マルタは「信じていたのに、どうして?」と詰めよりますが、ブジャールが追いかけてきているのが監視モニターの映像で分かりました。ラングドンは「後で必ず説明するし、デスマスクも戻す」と言い残して、マルタのセキュリティカードを奪って、マルタを閉じ込めて、地図の間の世界地図の1つの隠し扉から五百人広間の天井裏へ逃げ込みます。梁を渡って、移動中の最中、明かり代わりに携帯を使っていたシエナが手を滑らせて落としています。その明かりは、天井下の五百人広間にいたヴァエンサに気づかれてしまいました。彼女も天井裏に登ってきます。そして、ラングドンを見つけたヴァエンサは発砲してきました。でも、携帯を拾うために別行動をしていたシエナが梁から足を払い落してしました。バランスを崩したヴァエンサにはなす術もなく、天井を突き破り、五百人広間へ落下します。そこに、ン・ジャールが駆けつけ、ヴァエンサの死を確認後、天井からいける脱出経路から2人の行方を追います。一方、ラングドンとシエナは逃げながら、携帯で検索します。(ラングドンは、「神曲」の原本を探そうとしましたが、シエナがネット検索を提案したのです。)イニャツィオからのメール内容は「天国の25を捜せ」でした。だったら、「神曲 天国篇第25歌」を探せばいいはずです。そして、検索結果「わたしの洗礼盤の前で…」という文章が出てきました。ラングドンは言いました。「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂内のサン・ジョヴァンニ洗礼堂だ。そこで、ダンテは洗礼を受けた。イニャツィオがデスマスクを隠したのも、きっと、そこに違いない。」 ところで、日本語では「神曲」といいますが、そう翻訳したのは、森鴎外です。実はイタリア語では違う意味の言葉で、「喜劇(コンメーディア)」です。地獄と煉獄を経て、天国に到達し、祝福されるからです。しかし、作家ボッカッチョが「神聖な」を意味するDivinaを追加して「神聖喜劇(ディビア・コンメーディア)」と改めました。森鴎外はそれから翻訳したのです。2人は雑踏に紛れて歩いて洗礼堂へ向かいます。2人を追うブジャールは、WHO同僚からの連絡を無視し、携帯電話をゴミ箱に投げ捨てました。一方、危険総括大機構では、1時間経ってもヴァエンサからの連絡がなく、ゾブリスト案件のタイムリミットが迫っているので、シムズ総監自らが、ラングドンの追跡をはじめるのでした。サン・ジョヴァンニ洗礼堂に到着した二人は、すぐに洗礼盤に手を突っ込んで探し始めます。そして水の中から袋に入ったダンテのデスマスクが出てきました。ラングドンがデスマスクを調べると、裏側に水彩絵具が付着していました。ハンカチに水を塗らし、拭き取ってみると、そこには、ゾブリストの創作の詩が、円状に書かれていました。全ての絵の具を拭き取ると次のような詩が出てきました。 「おお、健やかなる知性を持つ者よ あいまいな詩句の覆いの下に 隠された教えを見抜け。馬の首を断ち盲人の骨を奪った不実なヴェネツィアの総督を探せ。黄金色をした聖なる英知のムセイオンの中でひざまずき地に汝の耳をあて 流れる水の音を聞け。深みへとたどり、沈んだ宮殿に至れば… かの地の闇に地底世界の怪物が待ちそれを浸す池の水は血で赤く染まるが そこでは水面に映ることはない…星々が。」ラングドン「ヴェネツイアだ」。しかし、そこにブシャールがやってきました。彼は警戒するラングドンに自己紹介します。「ラングドン教授、2日前にボストン大学でお会いしましたよね。WHOパリ支局のブジャールです。我々は、ゾブリストを追って、ウィルスの拡散を防ごうとしているのですが、あなたのご友人のエリザベス・シンスキーが、ウィルスを手に入れて横流しをしようとしているのです。ご助力お願いできますか?」と説明するのです。その時、ラングドンは、再び、頭痛がします。シエナ「大丈夫、時々こうなるの」結局、シエナとラングドン、そしてブジャールは一緒に列車に乗り込みます。ブジャールは「ラングドンがジュネーブへ渡航しようとしている」と偽情報を流します。シンスキーはまんまと、騙されました。そして、その空港で、シムズ大総監に出会うのです。シンスキーはシムズを知っていました。何故なら、過去2年間にWHOはゾブリストを指名手配していて、その逃亡の手助けをしていたのが、シムズ達と知っていたからです。だから、身構えますが、シムズの方が頭を下げました。ラングドン教授を追跡していたヴァエンサからの連絡はありませんが2年間ゾブリストを手助けしていたので、彼の行ったトコは把握していました。だから、ラングドンがヴェネツイアに向かう事も分かっていました。でも、シンスキーは「犯罪者と手を組むわけにはいかないわ」と断ります。でも、シムズは、シンスキーがラングドンを助けたいわけも知っていました。シムズ「あなたも、我々と組む方が確実に、大事なラングドン教授を助けれることを頭では理解しているはずだ。」シンスキー「分かったわ。彼を助けるまで、一緒に行動します」 シムズ「結構。それ以降は別行動だ」フィレンツェからヴェネツィアに向かう列車の中で、ラングドンが再び発作を起こしました。シエナは、ブジャールに「グレープフルーツジュースを買ってきて」とお願いし、彼の姿が見えなくなるとラングドンはすぐ起き上がります。シエナ「芝居だったのね」 ラングドン「2日前、ボストン大学で会ったのはシンスキーだ。彼じゃない。」ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の4頭の馬像の前で、シエナのイタリア語通訳で、銅像が「コンスタンティノープルから運ばれてきた」という逸話を聞いたラングドンは、推理しなおして、ウイルスはヴェネツイアでなく、イスタンブールにあることに気づきます。1453年、ビザンティン帝国を破ったスルタン朝のメフメット2世は、エンリコ・ダンドロの遺骨と遺品をヴェネツィアに返還したからです。だから、元はコンスタンティノープルにあったのです。つまり、場所を間違えていました。そこへ怒り狂ったブシャールが追いかけてきます。ラングドンが、また宗教象徴学の知識を活用して、古い抜け道から脱出を図ります。しかし、そこは、古い窓で、上の誰かの助けがいります。シエナは100ユーロで、老婆に窓を開けてもらい、何とか上に上がることが出来ました。今度はラングドンの番です。しかし、シエナは窓を閉めてしまいました。「シエナ、何をするんだ?」シエナ「ラングドン教授、謎解き、ご苦労様。後は私がウイルスを解放するわ」 ラングドン「待て、シエナ。待て。」その時でした。追いついてきたブジャールに殴られてしまい、気を失ってしまうのです。実は、ウィルス情報を横流しして不正を働こうとしていたのはシンスキーではなく、ブシャールでした。駅郊外でラングドンに、ウィルスのありかを吐くように銃を向けてブジャールは脅迫します。それでも喋らないので、ブシャールはラングドンを殴り蹴り、踏みつけます。しかし、そこにシムズが現れました。あっけなく、ブジャールは撃ち抜かれ倒れます。そして、シムズはラングドンに「見るな」といって、ブジャールの顔を何か(その辺の岩?)で潰し、身分証明書を取り上げ、身元不明死体にしてしまいました。そこで、シムズから種明かしがあります。「ラングドン教授、あなたはウイルスを注射されたかも? と心配しているようだが、それは、我々が打ったベンゾジアゼピン系のだ。幻覚を見て首回りに湿疹が現れているかもしれないが、じき収まる。さて、彼女との約束だ。私は一旦姿を消す。再会を楽しみたまえ。向こうで、また会おう。」そして、ヴァエンサがICU外で撃った看護師も生きていました。彼もシムズの部下だったのです。ラングドン「エリザベス、彼女…シエナは何者なんだ」 シンスキー「ゾブリストの恋人よ。そして信奉者でもあったわ。」シエナは幼くして、博士号を取得し、パズルやクイズが得意で、ゾブリストに魅かれ、恋仲になったのです。ゾブリストが幾ら隠しても、シエナはすぐに見つけました。本をくり抜き、アクセサリーを隠していても、1分もかからずに見つけたのです。しかし、彼はウイルス散布を全て一人でやろうとしていました。なので、最後に、「自分が失敗した時は、君だ。君がスイッチを押すんだ」と言い残して3日前に身を投げたのです。そこで、シムズに手をまわして、ゾブリストの代理人として、ラングドン誘拐という狂言で彼に謎を解かせたのです。(実は小説では、反対にシエナはウイルス散布を阻止しようとしています。)そして、シンスキーは、2年前、ゾブリストに会っていました。彼はWHOに、発展途上国の水や食料に避妊薬を混ぜて人口爆発にブレーキをかけるように提言していたのでした。しかし、WHOは彼の提言を非人道行為として、はねのけブラックリスト(監視対象)にのせて、追いかけていたのです。シンスキーとラングドンは、かつては恋仲でしたが、シンスキーがWHOの仕事を優先して、大学に去り、ラングドンは止めませんでした。シンスキーから別れた時にもらったのが、ラングドンの腕時計でしたが、ヴァエンサに連れ去られた時に道に落とし、壊れていたのでした。さて、シエナはイスタンブールのどこに行ったのでしょう? ラングドンは、ドーチェ(提督)ダンドロの墓がイスタンブールにあることを突きとめました。イタリア語で「検疫(クォランティーン)」の起源は40日です。船乗りたちは、港に着くと40日経たないと陸に上がれませんでした。それは伝染病の感染してないか調べるためです。特に、ダンドロの時代は黒死病の時代でした。これは、20世紀初頭までは、アメリカ移民に対しても行なわれていました。アメリカに着くと、エリス島で40日待たされ、病人はもちろん、目ヤニがあるだけでも、自費で強制送還されていました。エンリコ・ダンドロ(1107?~1205年)は、在任前はコンスタンティノポリスに滞留していたが、この時、ヴェネツィア人排斥運動に巻き込まれて、目を潰されて視力を失ったことが、コンスタンティノポリス攻略の動機付けとされますが、実際は高齢に伴うとする説もあります。そして、80歳で元首になり、ダンドロは十字軍と協力してコンスタンティノポリスを再度攻略してアレクシオス5世を殺し、東ローマ帝国を滅ぼしてラテン帝国を成立させています。ラングドンが探すのは、彼の墓です。そして、それはイスタンブール(かつのコンスタンティノポリス)にあるのです。WHOの権限で、特別便が用意され、その飛行機でイスタンブールに向かうのですが、シムズも乗り込んでいました。シムズは、ラングドンとシンスキーに、数時間後に公表されるゾブリストのビデオメッセージを見ました。急がなければいけません。さて、イスタンブ-ルにつき、エンリコ・ダンドロの墓に案内されますが、ラングドンが墓に耳を当てると、水の音がしました。地下水です。その水がどこに流れているか聞きます。すると地下貯水池「イエレバタン・サラユ」に流れ込んでいるということでした。その場所に急行します。一方、シエナもイスタンブールに入り、講義をする男性に「詩人の使い」と名乗り、男は授業を自習にし、シエナと行動を共にしはじめます。勿論、ウイルスをばらまくためです。現地の同志2名と地下貯水池に向かいます。携帯電話の着信によってリモートコントロール(遠隔操作)で作動する爆弾を持ち、ラングドン達に確保される前に爆破しようとしていました。ラングドン達が、地下貯水池にたどり着いた時、何故か、人であふれていました。現在は、音響設備がいいので、コンサートホールとして使われているからです。人々を避難させるにしても、多すぎます。パニックになるだけです。だから、極秘裏に、シエナほか、テロリストを探さなければいけません。イスタンブール宮殿の地下に降りると、赤くライトアップされた地下水が充満した地下貯水池が、優れた音響として。確かに素晴らしいコンサートホールとして機能していました。そして、ゾブリストが、ダンテのデスマスクに書いていた「それを浸す池の水は血で赤く染まるが そこでは水面に映ることはない…星々が」という文面にも適合します。地下だから、水面に星明りは反射しませんし、赤いライトアップで血のように見えます。そして、そこには生前のゾブリストが招待した世界中の多くの人が集まっていました。演目はフランツ=リストの「ダンテ交響曲」という凝り様です。オーケストラが荘厳な演奏をする中、静かに戦いが始まります。観客の中で気づいたものは、静かに外へ誘導されます。さて、シムズがいち早くシエナを見つけました。しかし、2人の男が行く手を阻みます。代わりに、ラングドンが説得しますが、彼女は聞く耳を持たず、携帯電話で爆弾を作動させようとしましたが、WHO側もECMのジャミングによって、電波を遮断していました。つまり、アナログですが、手作業で作動させる必要があるのです。ラングドンは、ゾブリストの詩にあった「かの地の闇に地底世界の怪物が待ち」 の怪物を見つけました。緑色のメドゥーサの銅像です。その柱近くでWHOの武装した隊員が、袋に入った赤いウイルスを見つけ、水槽に入れて、周りからの圧力に影響されないようにフタをしめて安定させます。しかし、シエナが隊員を発砲し、シエナが飛び込んで、再び、安定装置のケースはOFFになり、オレンジに光り、爆発の危険が高まります。シンスキーが飛び込んで、女同士の戦い・キャットファイトです。シムズは1人は倒せましたが、隙を突かれて、シエナにやられます。残った1人が爆弾のスイッチを押し、津波が起こります。隊員が押し流され、残っていたラングドンが飛び込み、安定装置を再び作動させます。ランプは緑色になるのです。しかし、まだ1人残っていました。ケースから、袋を取り出そうともみ合っているうちに、ラングドンは溺れかけます。しかし、ラングドンが沈んだために、男は狙撃され、溺れそうになっていたところをシンスキーに助けられました。シエナは連行されていきます。シンスキーは「これからゾブリストが残したウイルスの研究をしてワクチンを作るわ」と言って、再び別れようとした時でした。シンスキー「これ忘れ物、大事な物なんでしょう?」 そう言って、ラングドンが壊して落としたと思ったシンスキーと別れる前に貰った腕時計が戻って来ました。ちゃんと動いています。シンスキーが修理に出してくれたのでしょう。「ああ、すごく大事な物なんだ。拾ってくれてありがとう。大切に使うよ」そう言ってハグして別れます。実は、小説のシンスキーはラングドンとは、あくまでも友人関係で、恋愛感情はありません。そして、シエナも、本来は敵ではないので、ウイルス開発に協力するのです。そして、実は、小説では既にウイルスはバラまかれています。シンスキーもシエナもラングドンも感染しています。でも、即死はしません。人類は妊娠しにくい身体になってしまったのです。なので、小説版では、ゾブリストの勝利ということになります。さて、全て終わったわけではありません。ラングドンには、まだやり残していることがありました。それは、ダンテのデスマスクです。係員を呼び止めます。「ダンテのデスマスクのことなんだけど」。係員「ああ、酷いもんで、誰かに盗まれたんですよ」 ラングドン「さっき見て来たんだけど、ライトがついてたよ」 係員「そうですか。それはスイマセン。展示もしてないのに、誰が電気をつけたんだ?」 そう言って、係員がブツブツ言いながら、部屋に入ると、大声で叫びながらラングドンと反対方向に走って行きました。無事、返却できたラングドンは笑顔で、足早にその場を立ち去るのでした。ところで、ダンテ研究家のイニャーツオですが、以後、出てこないので、恐らくブジャールか、ヴァエンサに殺されていたようです。以上、インフェルノの詳細あらすじ解説でした。