アクリル絵の具も水彩絵の具も、どちらとも水で溶かして描くことが出来る絵の具なのですが、両者の違いってどんな部分にあるのか分かりますか? 今回はこの2つの絵の具がどのように違うのかを、使い方も含めて解説していこうと思います! 更新:2019.06.21アクリルガッシュや水彩、ポスターカラーにコピックなど…画材には様々なものがあり、本格的に絵を描き始めたという方にはどれを使ったら良いのか悩んでしまいますよね。今回は数ある画材のうち「ポスターカラー」のについて詳しく説明していきます。INDEX「ポスターカラー」という画材を、学校での美術の授業や創作活動などで使ったことがある方も多いのではないでしょうか。ポスターカラーとは、名前の通り、主にポスターを始めとする広告のデザインを描くために作られた画材です。海外では「コマーシャルカラー」や「ポスターペイント」などの名前で呼ばれることがあります。また、ポスターカラーの中には「工作ポスターカラー」というタイプがあります。工作ポスターカラーは通常のポスターカラーとは違い、ペットボトルやプラスチック、牛乳パックなどのポスターカラーでは描きにくい素材にも絵を描くことができます。ガラスなどの滑りやすい素材に描いた場合は、水拭きで簡単に落とせます。ポスターカラーは水分量を増やしても不透明なままであるという特徴があります。下地が完全に渇いた状態であれば、他の色の影響を受けやすいホワイトや淡色であっても、塗り重ねることによって完全に塗りつぶすことができます。また、広い面でもムラなく塗ることができます。また、画材の多くは熱や空気などへの耐久性が重要視されますが、ポスターカラーは安価の顔料とデキストリンなどの透明水彩絵具に用いられるバインダー(固着材)で出来ています。そのため、他の画材と比較すると耐久性には劣る面もありますが、発色が良く、低価格で手に入れることができます。ポスターカラーとよく似ている画材にアクリルガッシュがあります。アクリルガッシュとはアクリル絵の具の一種であり、ポスターカラーと同じく不透明調の発色が特徴的な絵の具です。しかし、ポスターカラーが水溶性の樹脂を使用しており、乾燥しても水に濡れると絵の具が溶けるのに対して、アクリルガッシュは「アクリル樹脂」を使用しており、アクリル絵の具の中でも乾燥が早く、固まると耐水性を持つ特徴があります。そのため、一度乾いてしまうと絵の具が水に溶けなくなるという違いがあります。アクリルガッシュの他にも、ポスターカラーとよく似た性質や特徴を持つ画材があります。例えば、透明水彩は水溶性であり、広い面に塗りやすい特徴もポスターカラーと同じです。しかし、ポスターカラーに比べて色を重ねるのが難しく、全体的に色が淡いため、ポスターカラーのようなビビットな色合いを表現できません。関連記事では、ポスターカラーとよく似ている画材のうちの一つであるアクリルガッシュの仲間である「アクリル絵の具」の特徴についてまとめています。こちらの記事も参考にしながら、それぞれの画材の特徴を活かすことができるように使い分けてみましょう。RELATED ARTICLEアクリル絵の具の使い方とは?ダイソー&セリアおすすめの100均DIYポスターカラーは、他の画材と比べると安価な材料でできているため、100円ショップだけでなく、様々な絵の具メーカーによって作られています。また、特定の画材店でしか取り扱っていないオリジナルのポスターカラーもあるため、色のバリエーションは他の絵の具よりも豊富なのです。ポスターカラーには大きく分けて、ボトルタイプとチューブタイプの二種類があり、タイプによって容量や価格が異なります。ボトルタイプは、メーカーによって多少の違いはありますが、容量の大きさに対して安いことが最大の特徴です。45mlボトルで300円程度、720mlボトルで平均1500~2000円が目安です。チューブタイプは、一つのチューブに約11mlのポスターカラーが入っており、多くの場合12~18色のポスターカラーがセットで販売されています。チューブタイプの平均価格は18色セットで1500円程度です。店によってはバラ売りがされている場合もありますが、バラ売りの場合は一本120円程度で購入できます。チューブタイプのポスターカラーはボトルタイプと比較すると少々割高にはなりますが、初めてポスターカラーを使う方や「どれを使えば良いかわからない」という方にはおすすめです。また「いきなり高価な画材を買うのは気が引ける」という方は、100円ショップで購入できるポスターカラーで練習するのも良いでしょう。また「いきなり高価な画材を買うのは気が引ける」という方は、100円ショップで購入できるポスターカラーで練習するのも良いでしょう。関連記事では、100円ショップで手軽に購入できる絵の具についてまとめていますので、こちらも是非ご覧ください。RELATED ARTICLE100均の絵の具9選!ダイソー・セリア別!おすすめアクリル絵の具は?ポスターカラーを使う時には、まずパレットと水バケツ、筆を拭うための布巾を用意します。道具の配置については、基本的に自分が使いやすい配置がベストです。パレットはポスターカラーを購入した際に附属で入っている場合が多いので、あらかじめ購入の際に確認するようにしましょう。ポスターカラーで色を塗る時に使用する筆については、他の絵の具を使う時に使用する筆(丸筆)でも十分ですが、描く絵のボリュームによって丸筆だけでなく、面相筆(穂先が細く、細部を塗る時に便利な筆)や平筆(筆全体が平らで、広い面を塗る時に便利な筆)も用意しておくことをおすすめします。また、水バケツは複数の部屋に区切られているタイプが多いですが、ポスターカラーを使い始める前に、「絵の具が付いた筆を洗わない部屋」を決めておきましょう。この部分は、新しい筆を下ろす時に絵の具が混ざらない様にするために使用する部屋であり、「命の水」という言葉で説明されることもあります。ポスターカラーを実際に使用する際、一度に全ての絵の具をパレットに出してしまうと、あちこちに付着してしまったり、乾いてしまう場合があります。そのため、パレットの部屋(=絵の具を入れる場所)一つに対して、一色だけを入れるようにしましょう。ポスターカラーは単色と混色のどちらの場合でも、美しい色合いを出すことができる絵の具です。しかし、薄め方を間違えると他の色と混ざってしまい、思うような色を作ることができません。単色や混色にかかわらず、水は多すぎても少なすぎても使いづらくなるため、筆がスムーズに動く程度を目安に水の量を調節しましょう。また、間違って塗ってしまった場合など、上から塗りつぶす際には必ず下地の色が完全に乾いているかどうかを確認してから塗るようにしましょう。早く乾かしたいからといって、ドライヤーを使う方も多いですが、紙や絵の具を痛めてしまう場合がありますので、自然に乾燥させるようにしましょう。ポスターカラーを使って絵を描き終えた後は、次も綺麗に使えるように「お手入れ」をする必要があります。使った後のポスターカラーや筆をそのままにしてしまうと、固まってしまって使えなくなってしまいますので注意しましょう。絵の具などに使用する筆は非常にデリケートです。特に、動物の毛を使った筆は洗剤などの刺激に弱いものもあります。そのため、使った後の筆は水やぬるま湯で根本まで洗うようにし、洗った後は風通しの良い場所で乾燥させるようにしましょう。この時、穂先は整えてから乾燥させるようにしてください。パレットについては、ぬるま湯に浸けた後、暫くしてから歯ブラシなどでやさしく擦ると、綺麗に落とすことができます。また、固まって落ちないという場合には、熱めの湯に少し中性洗剤等を入れたものに浸けましょう。しかし、熱に弱い素材でできているパレットで熱湯を使うと溶けてしまう場合もありますので注意しましょう。ポスターカラーは他の絵の具のように筆を使って塗るだけでなく、ブラシと網を用いることでスプレーを用いた時のような細かい点を表現することができます。発色の良いポスターカラーと併用すれば、星空やラメのような表現をすることができます。また、丸めたティッシュペーパーやスポンジなどの弾力があるものや、ステンシルブラシなどを使えば、ぼかし表現に不向きなポスターカラーでも水彩を用いて絵を描いた時のように、ぼかした表現をすることができます。他にもクレヨンと併用すれば、水と油が混ざらないという原理を利用した「はじき絵」を描くこともできます。ポスターカラーの扱いに慣れてきた時や「筆で塗るだけでは飽き足らない!」という時には、このように身近にある道具を使った表現方法にチャレンジしてみましょう。関連記事では、絵の中でも比較的難しい「似顔絵」を上手に描くポイントについてまとめていますので、こちらも是非参考にしながらチャレンジしてみてください。RELATED ARTICLE似顔絵を描くコツは?デフォルメ次第で簡単に可愛い女性が描けますよ!初めてポスターカラーを使うという方や、絵の具などを使って色を塗ることが苦手な方にとって、ポスターカラーを使って綺麗に色を塗るのは難しいかと思います。しかし、コツやポイントを押さえることができれば、誰でも簡単にポスターカラーを使うことができるのです。まず、ポスターカラーを使って色を塗った際に、色ムラがどうしてもできてしまうという場合のポイントは「薄める時に用いる水の量」です。「塗った時の跡」と「ポスターカラーの粘度」の両方で判断しましょう。粘度は少しねばりが感じられる程度にし、塗った時に筆の跡がギリギリ残らない程度の薄さが目安です。また、綺麗に色を塗るのが難しいという場合のポイントは「塗る前に縁取りをすること」です。ポスターカラーをはじめとする絵の具などで色を塗る時には、少しずつ塗っていると、ポスターカラーの乾き方にムラができてしまいます。この時、丸筆で内側を縁取りし、乾かないうちに全体を塗ることで色ムラを防ぐことができます。絵を描く際に様々な表現をすることができるポスターカラーですが、扱い方において、頭に入れておいてほしい注意点もいくつかあります。まず始めに、ポスターカラーを使う時には「汚れてもいい服」で作業をするようにしましょう。ポスターカラーが服に付着してしまうと、洗濯だけではなかなか落ちにくく、漂白剤を用いたり、洗剤に付け置きする手間などが増えてしまいます。また、ポスターカラーの発色の良さから、中には透明感のある絵を描こうとする方もいます。しかし、不透明調の色を得意としているポスターカラーでは、透明感を表現するのは難しいのです。水で薄めたり、複数の色を混ぜ合わせても、水彩絵の具のような透明感をポスターカラーで表現するのには限界があります。ポスターカラーはこの他にも、ムラ無く塗ることができる点がペンキなどに似ている部分もありますが、色を混ぜすぎると濁ってしまうという注意点もあります。複数の色を混ぜる時は、混色表なども参考にしながら、あらかじめ必要となる色のポスターカラーだけを使うようにしましょう。ポスターカラーは、扱い方や塗り方などにおいて、難しく感じることが多い画材の一つではあります。しかし、ポスターカラーは様々な色や道具を組み合わせることで多彩な表現をすることができます。ポスターカラーは100円ショップでも簡単に手に入るため、誰でも気軽に手に取りやすい画材の一つと言っても良いでしょう。ポスターカラーの特徴や使い方を理解できたら、さっそく使ってみましょう。また、絵を描くことや色を塗ることは、ストレス発散だけでなく、集中力アップなどにも効果があるとされています。関連記事では「大人の塗り絵」の効果についてまとめていますので、こちらもご覧ください。RELATED ARTICLE【大人気】大人の塗り絵効果で、脳からストレスを追い出そう!Copyright 2020 BELCY All Rights Reserved.