くらしとお金の経済メディア2019年11月15日に行われた、株式会社イオレ2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。小川誠氏:本日は、ご参加ありがとうございます。株式会社イオレの小川です。よろしくお願いします。では、2020年3月期第2四半期の決算説明会を行わせていただきます。まずは、簡単に当社について説明します。会社概要ですが、とくに大きな変更点等はございません。沿革になります。設立が2001年で、もともとはモバイルコンテンツのiモード等に、サッカーニュースを配信するところから事業を始めています。その後、2005年に「らくらく連絡網」の運用を開始しました。一番大きな転換点が2014年です。プライベートDMP「pinpoint DMP」の提供を開始しました。後述しますが、2019年に、いわゆるアドテクのところのノウハウを使って、「ジョブオレ」というHR Techの商品の運用を開始しております。事業概要についてです。「pinpoint DMP」を中心とした運用型広告事業、「らくらく連絡網」を中心とした自社メディア事業、そして「その他」については、他社媒体の広告販売を行う代理販売事業です。では、メディアのご紹介をします。こちらが「らくらく連絡網」です。9月末時点で、38万6,000団体、685万人の方にご利用いただいている、日本最大級の連絡網サービスです。主に大学生のサークル活動、ゼミ、部活、研究室といったところで連絡ツールとしてご利用いただいています。また数として多いのが、子どもを持つ父母会の連絡網です。サッカー少年チームの保護者用連絡網であったり、PTAでの連絡網であったりといったところでご利用いただいております。また、円グラフが団体の属性ですが、一番多いのがスポーツでのご利用で、25パーセントくらいです。もう少し細分化すると、野球やサッカーなど、それぞれ2万チームに利用いただいているところが特徴です。世の中には、さまざまなコミュニケーションツールがあります。そのなかでの「らくらく連絡網」のポジショニングですが、特徴的なのは、他のコミュニケーションツールと違うところに位置づいています。「明日の遠足の持ち物は何か」「団体100人のメンバーの出欠確認を取らないといけない」といったことに対応するような機能が付いておりますので、情報を受け取るユーザーからすると、情報の重要性、必要性が高いところに位置づいているサービスです。「らくらく連絡網」を活用したビジネスモデルです。「らくらく連絡網」で集めた会員データは、「ガクバアルバイト」や「らくらくアルバイト」というメディアと連携を取ったり、また一番大きな特徴は、スライド右上にある「pinpoint DMP」と、情報を匿名加工化して連携しているところです。なお、「pinpoint DMP」については、「らくらく連絡網」以外の業務提携先のデータも取り扱っています。自社メディアを2つご紹介します。まず「ガクバアルバイト」ですが、こちらは大学生に特化した、掲載型のアルバイト求人メディアになります。一方「らくらくアルバイト」は、いわゆる顧客が求人媒体社の求人メディアになり、求人メディアの案件をポータル化する、一般的には「アグリケーションサイト」といわれるサイトになっており、応募者を媒体社に送客することでの(収益を得る)、成果型報酬モデルになっています。それぞれの、業界でのポジショニングになります。「ガクバアルバイト」は特化型ということで、例えば「ナース専科」「工場WORKS」のような特化型の求人メディアのところに位置づいております。一方、「らくらくアルバイト」については、いわゆる求人媒体社さまの案件をポータル化するというモデルになっておりますので、コンペティターは、スライドに記載の「アルバイトEX」というようなところになります。現在の中心サービスになっている「pinpoint」の事業概要です。これは、アドテクノロジーという業界の簡単なマップになっておりまして、どういう業界かと言いますと、もともと金融から始まっているシステムです。スライド左側が広告主、右側がメディアになっていますが、例えば株式の売り買いについても、できるだけ高く売りたい人と、できるだけ安く買いたい人をマッチングします。それを、いわゆるインターネットメディアの広告スペース枠(で行うようなもので)、例えばメディア社は自分たちの広告スペースを少しでも高く売りたくて、一方の広告出稿主は、少しでも安く広告を出したいわけです。これを、RTB(Real Time Bidding)という入札の仕組みを用いて実現したのが、このアドテクノロジーという業界になります。日本では、2011年から業界が始まったと言われております。当社の「pinpoint」のサービスは2014年の4月からサービスを開始しておりますので、業界のなかでは後発でした。しかし、後発であったため、ある程度業界を俯瞰できる立ち位置にいました。例えば、DSPやアドエクスチェンジ、SSPのところで、RTBの仕組みのなかに、卸問屋のような業種がたくさんできているところは1つの特徴で、将来的にこのあたりは非常に薄利になるなという印象は当初から受けておりました。そこで、当社が注目したのがDMPです。誰に広告を配信していくのかというデータに特化していることと、今でも手法としてあるリスティング広告のところで、結果的には広告の高いパフォーマンスをクライアントに提供して、初めて案件が継続していくような広告の運用手法となりますので、トレーディングデスク、いわゆる広告を運用するチームのことを指しておりますが、このあたりに特化したサービスが、スライドの赤い枠のところで、「pinpoint」というサービスになっております。DMPとしてのベンダー表のポジショニングですが、かなり多くの数のベンダーさまが、DMPの展開を行っております。図の説明をさせていただくと、スライド左側が「1st Partyデータ」で、右側が「3rd Partyデータ」です。「1st Partyデータ」は、例えば、「らくらく連絡網」という確かな会員データを扱うというところで、質の高い情報を扱っているのが「1st Partyデータ」の位置づけです。一方、「3rd Partyデータ」はcookie等を使って、Webの閲覧履歴から推測した情報となりますので、一般的な広告系のプレイヤーさまは「3rd Partyデータ」を利用しているところが非常に多いです。自分たちのデータを自分たちのマーケティング活動に利用するようなところは、「1st Partyデータ」の利用……とくにCRMでの利用が多いです。当社の「pinpoint」は、この図で見るとかなり独自のところに位置づいておりまして、「1st Partyデータ」を活用した広告系のビジネスモデル、といったところが特徴です。1枚の図で表すと、「pinpoint DMP」はスライドのようになっています。もともとデータサプライヤーとして、データソースとしてはもちろん、らくらく連絡網もそうですが、いわゆる提携企業が保有するデータも匿名加工化して「pinpoint DMP」に格納しています。これも、先ほどお話ししたとおり、後発であったということで、もちろん「pinpoint DMP」の会員匿名加工化したデータはcookieとの連携も取っておりますが、注力してきたのはアプリのIDとの連携です。みなさまがアプリをインストールする際、いわゆるデバイスを特定するIDというものがあります。例えばAndroidではAdvertising-ID、iOSではIDFAというIDと、匿名加工化した情報が連携しているのが「pinpoint DMP」の特徴です。スライド右側のように、Googleさまをはじめ、有力なソーシャルメディアとの連携もしております。連携の仕方は、先ほど申し上げたアプリのIDです。このIDの情報でメディア社と連携を取ることで、例えば「東京大学4年生の男子」のようなかたちである程度セグメンテーションして、LINEやInstagramで広告配信できるといったところが、「pinpoint DMP」の最大の特徴となっております。2019年3月に、新たな領域として、「ジョブオレ」というHR Tech商品をリリースしています。これまで求人業界は、求人メディアに掲載すると、掲載している期間だけ管理者画面の提供を受けられて、その管理者画面上で求人原稿の管理をしたり、応募者とのコミュニケーションを取るといったところが特徴の業態でした。ジョブオレは求人媒体に頼らず、それぞれの会社が、それぞれのシステムを持つことで自社で求人原稿の管理をしたり、自社のシステムで応募者とコミュニケーションを取るなど、一連の流れで求人を管理するということで、認知から集客、選考、採用、定着まで管理できる「ATS」というサービスです。事業の概要については、以上となります。続いて、2020年3月期第2四半期の累計期間の概況についてご説明します。業績のハイライトですが、2020年3月期第2四半期累計期間は、ジョブオレの連携メディアの拡大を通じて、「pinpoint及びその他運用型広告」のさらなる拡大と推進を図りました。その結果、比較的利益率の高い求人広告領域が伸長し、販促広告領域での売上の伸び悩みを補うかたちで着地しております。第2四半期累計期間は、売上が9億4,500万円、営業利益が2,700万円、経常利益が2,700万円、四半期純利益が2,100万円となっております。前回予想のところでは、売上が若干ビハインドしましたが、これは前述のとおり、販促広告領域での売上の伸び悩みによるものです。一方の利益に関しては、それぞれ過達となっております。「pinpoint及びその他運用型広告」を切り出しました。2019年3月期より、「pinpoint及びその他運用型広告」へのシフトを進めています。求人広告領域における同分野が全体を牽引しまして、前年同期比で売上高が16パーセント増、売上構成比は、前年同期では57パーセントだったものが67.5パーセントまで伸長しました。サービス別の売上の増減についてですが、こちらも「pinpoint及びその他運用型広告」へのシフトが表れています。「ガクバアルバイト」「らくらく連絡網」といった自社メディアは前年同期比横ばいで推移しました。一方、自社メディア「らくらくアルバイト」は前年を下回るかたちです。このあたりは、さまざまなIRの場で説明しているとおり、求人広告市場が非常に大きく変わろうとしているなか、例えば大手求人サイトのサービス終了、「Indeed」等の出現によるプロモーション手法の多様化などが起こっています。一方、「pinpoint及びその他運用型広告」は大きく伸長しました。こちらについては、2019年3月期から市場の変化を見据えて「pinpoint及びその他運用型広告」の営業にシフトしたところであり、市場の変化前に業態を変更し、一定の成果が出たのではないかと思っております。続いて、四半期別の売上高となります。2020年3月期第2四半期は、前年同期比1.8パーセントの減収となりました。採用の早期化により第1四半期に売上が集中しました。また、第1四半期比では、「らくらくアルバイト」ならびに販促広告領域の伸び悩みで、売上のほうは減少しました。四半期別の経常利益ですが、比較的利益率の高い求人広告領域が伸びたことで、経常利益は昨年より改善しました。売上高が計画比から若干ビハインドしていますので、売上高の分析についてお話しします。販促広告領域で伸び悩みましたが、強みとする求人広告領域は堅調に推移しています。「pinpoint及びその他運用型広告」で取り扱う求人領域での案件と販促領域の案件を比較したところ、販促領域は若干落ち込んでいますが、求人広告領域が11.8パーセント増です。これは第2四半期だけ切り出した数字だけでみても、伸びております。今期の進捗と今後の利益率の改善についてです。もともと期初の段階から、売上伸長率20パーセント以上の成長と、営業利益率をできるだけ早い段階で15パーセントまで、というところを目指していきますというお話をしていましたが、変更はございません。現時点の足元においては、売上伸長率が16.0パーセントです。営業利益率に関しても、前年同期と比較すると回復中ですが、現状ではまだ3.0パーセントあたりです。続いて、戦略のトピックスです。第2四半期に起きたトピックスを3点、お話しします。まずは、「ジョブオレ」の展開についてです。もともと2019年3月に「ジョブオレ」というサービスをリリースしました。先ほど事業概要でご説明したとおり、求人原稿の管理から応募者とのコミュニケーションが取れるところまでをリリースしました。これで、求人ページをそれぞれの会社さまが持つかたちになると、当社が得意とするデータ、「pinpoint DMP」を活用した応募者の送客、Webプロモーションにおいて応募者の送客が可能になりました。一方、4月から力を入れていたのは、いわゆるアグリゲーションサイトです。「Indeed」「Google for Jobs」「求人ボックス」「スタンバイ」といったところが、日本における有力なアグリゲーションサイトで、「ジョブオレ」はこちらのアグリゲーションサイトとの連携が完了しました。例えば「Indeed」上で案件を見る場合、「ジョブオレ」の原稿が「Indeed」に無料で転載されるかたちになり、ユーザーは、「Indeed」上で応募が完了する仕組みです。「Indeed」上で応募が完了した際に、その応募者情報が「ジョブオレ」のシステムに上書きされて、いわゆる採用企業はその情報をもとに、求職者と「ジョブオレ」でコミュニケーションを取ることが可能になりました。そのようなことが、「スタンバイ」「求人ボックス」でも同様のかたちで行われるようになりました。今期の残りをどこに注力するかですが、ご利用者数が堅調に推移してきておりますので、UI/UXの改善ということで、より優れたサービスを提供していくことに注力していきます。目指すべきところで言うと、下半期は求人原稿数の増加を推進していくフェーズです。また、来期以降で申し上げると、プラットフォームの構築を現在進めております、これは後ほどのページで詳しくご説明します。「ジョブオレ」の戦略イメージです。スライド左側が広告主、つまり採用担当者だと思ってください。一方、右側が求職者です。「ジョブオレ」を導入することで、フェーズ1の部分……「pinpoint」での事業領域ですが、当社のデータを使って潜在的な求職ニーズのあるユーザーを送客することが可能になりました。また、フェーズ2も完了しており、世の中にあるアグリゲーションサイトとのシステム連携がすべて完了しております。現在はフェーズ3で、「ジョブオレ」自体のUI/UXを改善していきます。「将来」としているフェーズ4のところです。やや説明が難しいのですが、例えばYahoo!