処女作を出したばかりの小説家である相原ノボルは出身校に講演をするために久しぶりに実家に帰っていた。 懐かしい町を思い出していたノボルだったが、偶然ある人物と遭遇する。 ラブストーリーは読まないって言ったくせに。中田永一「百瀬、こっちを向いて」 あらすじ・感想百瀬、こっちを向いて。 タイトルからしてキュンとしませんか?(キュンて。)中田永一さんの恋愛短編小説です。恋愛物を好んで読まないわたしがこの本を手にと 2014年5月に、百瀬あかり役を早見あかりが、相原ノボル役を竹内太郎と向井理が演じ、同名のタイトルで映画化され、第9回アジア国際青少年映画祭最優秀監督賞を受賞するなど高い評価を得ている作品である。『百瀬、こっちを向いて。』映画化したものの予告を見たことで、この物語を知った。タイトルが印象的だった。高校生の恋愛の物語だということは知っていた。思っていたより、短めだった。神林先輩にも、百瀬にも惹かれた。惹かれたというよりも、惑わされてしまう。とっても素敵な2人だった。百瀬は、思い浮かべるだけでドキドキしてしまう。「野良猫のような挑戦的な目つき。」百瀬は本当にかわいい。一方、神林先輩は、物語の最後の方での秘密が、私を圧倒した。神林先輩も、百瀬も、私の頭の中に印象を残していった。宮崎先輩が百瀬に買った本「舞姫」。好きな人に本を買うのか。すてきだなあ。主人公が田辺に百瀬との演技のことを話す場面、『尊いことだよ』『僕の体験したことが?』『大切にするべきことだ』。一番好きな場面である。田辺もなかなか、やるじゃないか(笑)。主人公にとっては初恋なのかな?。人を好きになるとき、それは、人それぞれ...短編が収録された恋愛小説。『百瀬、こっちを向いて。』『なみうちぎわ』『キャベツ畑に彼の声』『小梅が通る』の四編。全体としては、素敵な恋愛小説という印象。どれも陳腐な恋愛話ではなく、なんとなく上品な雰囲気だ。30代でも素直に受け入れて読むことができる。主人公の描写がみずみずしい。やや卑屈な性格の人物でも、愛らしく書かれている。読後感の余韻を持たせるのが上手い。「あと一歩のところまで来た」「きっと良い結果になったのだろうな」という辺りで終了している。続きが読みたくなるような、でもこの塩梅で終わらせておくのがいいんだろうな、と。『なみうちぎわ』の終わり方が特に気に入った。地味で目立たない、自称「人間レベル2」のノボルは教室の中の薄暗い電球のような存在だと自分で認識していた。そして恋なんてするはずが、出来るはずがないと。でも、人間レベル100以上の幼馴染の先輩の頼みから美少女の偽恋人になってくれと頼まれることからどんどんと周りの状況や自分の気持ちが変わっていく。幼馴染みへの恩や憧れから、とんでもない事を引き受けてしまった、と思っていたノボルの気持ちの変化が、読んでいて苦しかった。読みたくないという苦しさではなくて、ノボルの苦しいほどの純粋な恋愛感情が文章から見て取れるから。偽恋人役なんかしなければ、こんな気持ちは知らなくてすんだのに。最後に、この2人がどうなるのか、気になって一気読みしました。1992年から1995年にかけけての書かれたホラー短編が7編という構成。しかし読み進めてみても面白くない。も...誰しもが感じたことがある平凡の虚しさ西村京太郎氏の作品の導入には、色々なパターンがあるが、この作品は...作品の概要太田蘭三氏の山岳推理小説「脱獄山脈」はTBSのドラマにもなった人気のある初期の作品で、作者のエ...自由闊達本作品の最後の解説は小池真理子先生でした。小池真理子先生はこの作品を、自由闊達な筆さばき、と...俺って祟られているかも!?と思いかねない、恋人たちの受難の数々十津川警部は40歳で結婚した、どちらかと...「「百瀬、こっちを向いて。」等、中田 永一の小説百瀬、こっちを向いて。についてのあらすじや作品解説はもちろん、「苦しいほどの恋の気持ちが伝わる小説。」「素敵な余韻が残る恋愛小説」「4つの物語」と言った実際に百瀬、こっちを向いて。を読んだレビュアーによる3件の長文考察レビューや評価を閲覧できます。登場キャラクターのプロフィール詳細や、名言も掲載中です。レビューンは、作品についての理解を深めることができるレビューサイトです。当サイトではJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして再度アクセスしてください。 タイトルからしてキュンとしませんか?(キュンて。)中田永一さんの恋愛短編小説です。恋愛物を好んで読まないわたしがこの本を手にとった理由のひとつ。 ということで、ざっとあらすじから。表題作ふくむ4編の短編集です。全て恋愛小説です。外見も中身も地味で冴えない主人公「僕」の視点で物語は進みます。っという感じですね。そろそろお気づきでしょうか。さてここから感想を。多分ネタバレはないかな?まず主人公の「僕」。自分で「人間レベル2」とか言っちゃってますが、とっても魅力的。百瀬も、口ではストレートにきつい事を言いながらも根は優しくていい子です。先輩たちとダブルデートをすることになった二人が、「僕」の部屋で服選びをします。ところどころで「現在」に話が戻ります。百瀬と自分はもちろん、“付き合っている”という演技をしていますよね。そして、この本にはあと三編収録されていますが、ラブストーリーって、登場人物が大人であればあるほどだからって中高生の恋愛って、真っ直ぐで幼くって甘ったるい。ラブストーリーに対する個人的な意見ですよ。しつこい?先にも書きましたが、会話のテンポがいい。さらっとしていて重くないし、面倒くさくもない。だけどきっちり登場人物の“人となり”が見えてくるし、ラブストーリーの醍醐味である”胸キュン”や”切なさ”も味わえます。タイトルの台詞がね、自分のことを「人間レベル2」と言っちゃう「僕」の性格をよく表していますよね。「こっち向けよ」じゃないんですよ。この表題作の、百瀬、こっちを向いて。は、2014年に映画化されています。 この作品は、相原ノボルが、大学卒業を目前にしたある日、地元への帰省の際に高校時代の先輩神林徹子に再会し、高校時代の淡く切ない恋を思い出していくという物語である。慕っていた宮崎先輩に頼まれ、宮崎の本命の交際相手であった神林からの疑いをごまかすために、宮崎の浮気相手として交際していた百瀬陽という少女と偽の交際をすることになったノボルは、偽りの交際とわりきりながらも、百瀬への想いに息苦しさを感じてくる。そして、その苦しみから事情を打ち明けた親友のアドバイスにより、宮崎へ思いを打ち明け、前へと進んでいくというストーリーである。