よりよいケアプラン作成のために必要なスキルについて、アセスメントのあり方から、日本ケアマネジメント学会理事で株式会社フジケア社長の白木裕子先生に伺いました。2回シリーズ前編のテーマは、「その利用者らしさを引き出すアセスメント」に必要なスキルです。 樹齢50年の桜の樹も敷地に!お客さまファーストで上質な環境 高齢期を自分らしく輝いて生きる、上質な住環境とサービスを 湊 純 一。 1. 最期まで、「その方らしい生き方」を支えたい 高齢者福祉施設生活相談員及び管理職。福祉専門学校において教職員の経歴を持つ、実践力と学術的知識の二つの顔を持つスペシャリスト。自身も介護を必要な親を抱えており、親身になって懇切丁寧にご質問にお答えします。 この記事では「施設サービス計画書(2)におけるニーズや長期目標、短期目標の考え方」を紹介しています。少し理解するだけで、簡単に長期、短期目標を立てることができるようになります。記入例も紹介していますのでぜひ参考にしてください。 こんにちは。ろきりとです。私は施設のケアマネジャーとして勤務しています。皆さんの施設でも施設サービス計画書を作成していると思いますが、どのように作成していますか?私の施設では施設ケアマネ、介護職員、看護職員、リハビリ担当者、管理栄養士、相談員などの各専門職が集まり、ケアカンファレンスを行い、作成しています。プラン作成は介護職員を中心に作成を進めていますが、担当の介護職員からよくこのような質問をされることがあります。この記事で紹介する「施設サービス計画書(2)におけるニーズや長期目標、短期目標の考え方」を少し理解するだけで、簡単に長期、短期目標を立てることができるようになると思います。さらにこの記事では、記入例を参考に文章を作成する時間を減らし、入所者に関わる時間を増やすことができれば、業務効率もあがるはずです。それではさっそくはじめていきましょう。生活全般の解決すべき課題と記載されていますが、ここに記入すべきことは、かっこ書きにあるニーズになります。「ニーズ」とは、ケアプランでは、私が介護支援専門員として働きはじめた10年ほど前では、職員側が考える問題点として現在は、本人を主体に考え、「その方が望む生活」「その方が望む生活を実現するために必要なこと」を記入するのでポイントとしてはこのような本人の意向や希望を聞き取ること、感じることが大切になってきます。サービス内容は出てくることが多いというか、ほぼ迷うことなく、より具体的に挙げてきますが、ニーズや長期、短期目標はわからない方が多いです。サービス内容は実際に介助している内容になるので、対応していることをそのまま挙げればいいのでわかりやすいのでしょう。しかし、それでは何のためにその対応、介助をしているのかを全く考えていないことになるのではないでしょうか。自分の生活に置き換えて考えてみると理解しやすいと思うので、例えば自分がスポーツジムに通っているとしましょう。スポーツジムが施設と考えることができますよね。サービス内容は実際にしている内容になるので、筋トレをするやプールで泳ぐとかになるでしょうか。では、筋トレをしたりプールで泳いだりすることは何のためにするのでしょうか。人によって、ダイエットのためだったり、いいカラダになってモテたいからだったり、健康のためだったり、いろいろあると思います。これがそのままケアプランとして記入するのであれば「ダイエットしたい」「健康的に痩せたい」「いいカラダになってモテたい」「シックスパックになりたい」「健康でいたい」といった感じですね。本来の考え方としては、施設ケアプランの長期目標の立て方はシンプルにこのどちらかでいいと思います。目標を立てたときに、長期目標か短期目標かがわからないという人が結構いるのですが、このように考えると理解しやすいのではないかと思います。例えば、ある人の希望(ニーズ)が在宅復帰にあるとしましょう。ニーズ → 在宅復帰でいいとして、長期目標を設定するわけですが、1と2とでは【在宅復帰する】というゴールに向けての道筋は変わってくると思います。1番の場合の長期目標は、まさしく【在宅復帰できる】としてよいでしょう。2番に関しては、【在宅復帰できる】でもよいとは思いますが、【在宅復帰する】ために必要なことを設定するほうが適切かと思います。例えば【安全に歩行できるようになる】とか【車いすなしで生活できるようになる】といった感じでしょうか。このように、その人の【ニーズ】と【おかれている状況】をふまえて考えていくと、目標設定をしやすくなると思います。長期目標が決まれば短期目標は簡単に決まると思います。考え方としては、このどちらかから選んでいけばいいと思います。先ほどの例でいえば、長期目標は【在宅復帰できる】と【安全に歩行できるようになる】、【車いすなしで生活できるようになる】なので短期目標はこんな感じでしょうか。長期目標を達成するためには何をしなければいけないのか、サービス内容は何のために行っているのかを考えることが短期目標設定には大事です。少しばかりではありますが、記入例を作成しました。ここに記入しているのは、施設ケアプラン用として作成しています。ケアプランを作成する際に少しでも参考になればうれしいです。随時更新していきます。現役施設相談員兼介護支援専門員。 ケアマネジャーとってモニタリングはケアプランの評価をしていく上で非常に重要なケアマネジメントの過程となります。また、居宅を訪問して実施することや記録に残しておく必要があるため多くの時間を費やすことになります。時間をでは実際にどのような内容を 入居後は、その方にとって適切な介護サービスを検討・実施し、職員間で統一を図る必要があります。そのためのツールとして、「介護サービス計画書(ケアプラン)」の作成が介護保険法によって義務付けられています。2000年に創設されたこれまで介護は経験に頼るところが多く、すべての介護職員が同じスキルで介護を行っているとは言いがたい状況でした。また看護師や生活相談員など他職種との連携が必要不可欠でありながら、共通したツールも存在しません。それらの問題を解決すべく「ケアプランの作成」が義務付けられたのです。ケアプランの根底にあるのはそのためには、新人からベテランまで統一した介護とスキルが求められます。また、他職種の意見や情報も介護内容に反映させなくてはなりません。ケアプランは、それぞれがバラバラに行っていたケアプランは、介護支援専門員(ケアマネジャー)が、入居者ご本人やご家族に確認を取りながら状況を把握します。介護職員、看護師、生活相談員などの各職種と連携を取りながら、生活において解決すべき課題や、目標を達成するために必要なサービス(介護、看護、食事、機能訓練、娯楽など)を検討し、それらを盛り込んだケアプランを作成します。新しく入居される方への対応は、ご家族同様にスタッフも不安を感じています。そのため入居後すぐにケアマネジャーは、食事、入浴、排泄について、ご本人やご家族から伺った情報をもとに、暫定ケアプランを作成します。例として、今回の質問者様が懸念されている「自分が思ったように介護をしないと、すぐ機嫌を損ねる」と言う点については、下記のようにケアプランに盛り込まれます。※1 「保険給付の対象となるかどうかの区分」について、保険給付対象内サービスについては〇印を付す1.家庭における介護方法をご家族より伺い、対応マニュアルを作成する。暫定ケアプラン作成から約2週間から1か月後に「ケアカンファレンス」を開催。ケアマネジャー、介護職員、看護師、生活相談員、機能訓練員、可能な限りご本人やご家族にも参加いただき、ケアプランが見直されます。暫定ケアプランでは、「自分が思ったように介護をしないと、すぐ機嫌を損ねる」と言う点について3つのサービス内容が立案されていましたが、2週間の間で不都合はなかったか、また変更が必要な場合は、何が問題で今後どうするべきかなどが話し合われます。これを「モニタリング」と言います。ケアカンファレンスの中では、介護の方法について質問することが多く、通常のコミュニケーションが不足していたこと。それが原因で些細な言葉にも機嫌を損ねていたこと、マニュアルが更新していたにも関わらず、見落としているスタッフがいたため、対応について立腹されていたことなどが分かりました。以上の結果を踏まえて、ケアプランが下記のように変更されました。

宮城県ケアマネジャー協会 小.